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【山形展覧会イベント】山形美術館「近岡善次郎 聖なるイメージ」「没後50年 土田文雄展」を12月14日から同時開催

概要

山形市の山形美術館にて12月14日より「近岡善次郎 聖なるイメージ」ならびに「没後50年 土田文雄展」を同時開催します。

ともに山形県出身である両画家、ヨーロッパ留学を経て、東北の民間伝承や生活、人々の心情を描いた油彩画を書き続けた近岡と、戦後美術界における目まぐるしい変化とともに多様な画風の変遷を繰り返しながらも、「独自の美しい色調」(今泉篤男『土田文雄遺作展をみて』より)で美しさを追求した土田、それぞれの絵画世界をご覧いただくことができます。

両企画展は共通料金でのご案内となります。この機会に、郷土出身画家たちの作品をゆっくりと楽しむ時間はいかがでしょうか。

「近岡善次郎 聖なるイメージ」

新庄市出身の近岡善次郎(1914-2007)は、東京・文化学院美術部で有島生馬や石井柏亭から洋画を学び、卒業後は美術団体・一水会を中心に活躍しました。
1956年に近岡は文部省留学生としてヨーロッパに渡り、西洋の古典や当時の美術界の情勢を見聞しながら画家としての在り方を模索します。これが東北地方の出自であることを強く認識するきっかけとなり、帰国後は東北の民間伝承や、そこで生きる人々の心情などをテーマとした油彩画を精力的に発表。63年には秋田と青森の土着信仰をもとにした作品で安井賞を受賞しました。
今回の展覧会では2007年に山形美術館に寄贈された近岡の油彩作品のなかから、キリスト教絵画の影響を受けた母子像のほか、日本の霊場や神仏など、聖なるイメージがあらわされた作品に焦点を当てます。また山形の民話や東北の祭りから着想を得た作品などもあわせて展示し、郷土への慈愛に満ちた近岡の絵画世界を紹介します。
また、会期中の1月14日には、山形大学名誉教授 元木幸一氏による記念講演会も開催されます。

【主催 山形美術館より】
「記念講演会は“聖なるイメージ”というテーマに合わせて、西洋美術史の研究者からマリア像や聖人像など図像の源泉についてお話していただく貴重な機会となります。また近岡の作品には郷土の民俗的なイメージも多く、ギャラリートークではそういった部分を詳しくお話しする予定です。ぜひ多くの方々に参加いただければと思います。」

近岡善次郎《晩秋》1981年
近岡善次郎《霊場宇曽利山》1962年

「没後50年 土田文雄展」

今年没後50年となる画家・土田文雄(1901-1973)の活動を紹介する展覧会を開催します。
1901(明治34)年に山形県米沢市に生まれた土田は、旧制中学を卒業後に上京し、川端画学校で藤島武二に師事。1920(大正9)年、日本美術院洋画部で初入選するも、院展洋画部が解散したため、新たに創設された春陽会へと移りました。梅原龍三郎に傾倒し、梅原の誘いで国画会創立とともに出品。1954(昭和29)年、武蔵野美術大学の教授に就任し、後進の指導にあたりながら生涯を通して国展の中心作家として活躍しました。定年退職後の1972(昭和47)年、渡仏して画業に専念しようとした矢先に病を得て帰国し、翌年惜しまれながら亡くなりました。
梅原の影響を感じさせる初期の人物像や室内風景に加え、抽象的な表現や幾何学的な構成に発展させた風景画など、土田の作品は多様な変遷を辿ります。その背景には抽象様式の台頭や前衛美術運動の興隆など、戦後美術界の急速な変化があったことは想像に難くありません。
山形美術館所蔵品の中から土田の作品約70点と、同じく国画会や女流画会で活躍した夫人、土田次枝の作品1点をご紹介します。多様な表現とともに作家が追い求めた美の姿を感じていただければ幸いです。

【主催 山形美術館より】
「数十年ぶりの土田文雄の回顧展となります。初期から晩年までの作品が一堂に会するのは滅多にない機会です。作品を通して色とかたちの変遷が楽しめます。この機会に土田文雄という作家を知っていただき、作品の魅力を味わってほしいと思います。」

土田文雄《開いた花》1959年
土田文雄《海浜の朝》1957年

関連イベント

①山形大学名誉教授・元木幸一氏による記念講演会
日時 2024年1月14日(日)14:00−15:30
場所 3階ホール ※先着80席(申し込み不要) 

②「土田文雄展」担当学芸員によるミニギャラリートーク
日時 2023年12月16日、12月23日、2024年1月13日(各土曜日) 11:00−(約20分)
場所 2階第3展示室(申し込み不要)

③「近岡善次郎展」担当学芸員によるミニギャラリートーク
日時 2023年12月17日、2024年1月7日、1月14日(各日曜日) 11:00-(約20分)
場所 2階第4展示室(申し込み不要)

開催情報

イベント名近岡善次郎 聖なるイメージ/没後50年 土田文雄展
主催山形美術館、山形新聞・山形放送
共催山形県、公益財団法人山形県生涯学習文化財団
後援山形市
開催期間2023年12月14日〜2024年1月28日(10:00~17:00、入館は16:30まで)
会場山形美術館
山形県山形市大手町1-63
電話番号023-622-3090
入館料一般:1,000円 高校生・大学生:600円 小学生・中学生:400円(土曜日および日曜日午前中は小中生の観覧料無料)
団体(20名以上):各料金区分の2割引き 
障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名:各料金区分の半額
山形美術館キャンパスメンバーズ制度登録校の学生は学生証の提示により無料

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